2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

白い月の世界 中谷宇吉郎

ハワイ島のマウナ・ロア山頂について書かれた「黒い月の世界」の対になる作品。黒い月の世界で予告していたグリーンランドでの観測記である。 過酷な環境のためにデンマーク人が2人死んでいて、ひとりは遺体も見つかっていない。著者も運が悪ければ死んでい…

力士になっていた

意味はまったく不明だが、力士になっていた。しかも、けっこう高位っぽかった。同期の他の力士と一緒に取材を受けているらしかった。 小さな頃、特訓した木の上か築山の上にある秘密基地の話なるものが出てきた。ロープが巡らされて神社の御札が張ってあった…

九谷焼 中谷宇吉郎

加賀の名産品である九谷焼について、著者が思い出を語る。古九谷と工業生産品の間にある見落とされていた九谷にについて知ることができる。明治維新による悪影響は九谷焼にも及んでいたのか。(末端は?)ともかく古いものをぶっ壊せばいいと思っていたみた…

トイレが埋まっている

職場の外にあるいつも使っている屋外のトイレに使用禁止の看板が立っていた(使用禁止になる前に使うところも夢に観た気がする)。しょうがないので隣の敷地のレストランに入っていくも、そちらの2箇所あるトイレも外まで並んでいる人がいた。 最後の手段と…

雪女 小泉八雲

正体がバレたらお別れしなければいけない。そこは鶴の恩返しと同じになっている。 子供が10人もいるのに、木こりの男手ひとつで育てなければいけなくなったなんて大変すぎる結末だった。10人もいるなら上の子は手伝える歳になっているかなぁ。それにして…

赤ずきんちゃん グリム兄弟

狼の手口を犯罪者が真似たら危険だから赤ずきんちゃんを発禁にした方がいいんじゃない?そんなことをしたら赤ずきんちゃんが一命をとりとめて道草を反省したように、読者の子供が狼が暗示する悪意に注意する機会を奪うだけだなぁ……つい赤ずきんちゃんが目を…

アラスカの氷河 中谷宇吉郎

この文章が書かれた当時にアメリカへ向かう航空路からアラスカの氷河が見て楽しめるようになったらしい。ただし、天候に恵まれた場合に限るとのこと。自然の壮観な光景が探検家だけの楽しみではなくて、一般人の目にも触れるようになってきたことは人々の意…

ブレーメンの町楽隊 グリム兄弟

老兵は食われず、ただ去るのみ。食いのがした人間たちのお腹が鳴りそうだ。おんどりを一行に加えたときに猫は(お弁当ゲット)と思ったんじゃないかなぁ。別種族の連合が利害を対立させずに最期までやっていけるのか、興味深い。奪った家を巡って泥沼の争い…

黒い月の世界 中谷宇吉郎

ハワイ島のマウナ・ロア山頂で雪の研究をおこなった著者によるエッセイ。そこそこの冒険要素もあり、マウナ・ロアの素晴らしい景色の描写にはセンス・オブ・ワンダーを感じた。 肝心の雪はなかなか降らないのだが、別の研究をやっていたり、高山ゆえの苦労の…

星の銀貨 グリム兄弟

心優しい優しすぎる無垢な女の子が報われる話。そのまま凍死もありえる世界なので運が良かった。むしろ大量の銀貨を得ながら衣類が手に入らずに凍死する結末がグリム童話にふさわしい気がしてしまった。 手に入った大量の銀貨は貧しい人々に分け与えなかった…

お嬢様の家庭教師?

他の4人と一緒にお嬢様に勉強を教えることになった。塔の上にあるお嬢様の部屋にいったら、ウェーイ系の彼氏とイチャイチャしていた……。 その後、舞台は公園に変わった。公園に植えてある木はお嬢様の父親が持っている非常に高い(価格的に)木らしい。金の…

自室が営業事務所に

いきなり入口側の壁がガラス張りになっていた(奥に寝室あり)。ガラスには何か文字も印刷されていた。 わりと前向きに受け止めていたことが謎である。

南極・北極・熱帯の雪 中谷宇吉郎

世界各地のどこでも雪の形を決める要因は「結晶が出来るときの気温と、水蒸気の過飽和度」であると分かった話。もうひとつの要素として空気の清浄度が影響している可能性があったのだけど、南極観測隊の西堀氏による研究や著者がハワイやグリーンランドで行…

葬られた秘密 小泉八雲

いい和尚様だなー(彼も読む必要はない気がするけど)。彼が家族向けにおこなった説明が気になる。「熱心に念仏を唱えたら消えました」で十分納得してもらえるか? ミステリーものなら箪笥の中に映写機が仕込まれていて、ある時間帯の光線条件では嫁の姿が投…

ヘンゼルとグレーテル グリム兄弟

兄にも妹にも見せ場のある物語。木こりの父親の押しの弱さが生々しいと感じるようになってしまった。そんな父親が木こり仕事を続けていると見せかけるトリックを使ってくるあたりもキツイ。 魔女はそういう危険な野生動物の一種に思えてくるので、両親とは怖…

カエルの王様 グリム兄弟

まともな王様が新鮮な作品。これで外交の現場では虚々実々の駆け引きをしていたら熱い。 むしろカエルの王子が、こんな姫でいいのかと思ってしまう。まだ若いから今後成長すれば大丈夫かなぁ。 最後、馬車の異音のシーンが妙に印象的だった。何が言いたいの…

階段 海野十三

ミチ子じゃなくてムチ子だった。サスペンス仕立てだが、ミステリーではないような?著者の子供向けの作品ばかり読んでいたので、女性の足に関する官能的な表現が意外だった。 螺旋階段のある図書室という舞台装置も印象的で良い。螺旋階段の例えにジャックと…

おおかみと七ひきのこどもやぎ グリム兄弟

相手が狼だと判断した根拠を狼に教えてはいけない、対策を立てられてしまうから。しかし、相手の立場で考えられない幼い子供にはありがちな失敗であり、リアルな教訓を含んでいる。脅されて狼の偽装工作を手伝わさせられた粉屋への「まあ、こういうところが…

ラプンツェル グリム兄弟

有名なお話なので概要は知っていたけれど、はじめて読んだ。ラプンツェルが産んだ双子は王子の子供なんだよね?妊娠の雰囲気がなかったので突然出てきてギョッとした。幸せに暮らしたとの記述にも「家族四人」でと書かれていないしフォローが足りない印象が…

杜松の樹 グリム兄弟

キーウィットキーウィットが耳につく。繰り返しの力を思い知らされる作品。同じ表現を重ねることを執拗に避けるだけが技術ではなくて、効果的に繰り返す選択肢もあるのだ。まぁ、比較的に子供向けなのは確かだろうけど。 異母妹のマリちゃんが母親の死を悲し…

六羽の白鳥 グリム兄弟

黙々と仕事をしつづける女の子をさらってきて、お嫁さんにしてしまう王様に闇を感じる。価値観が変化しすぎだな。強制結婚させられた側が王女様だから、玉の輿感もない。 白鳥にされた6人の兄を助けるため王女が冒険に出るところには、とてもワクワクした。…

ルンペルシュチルツヒェン グリム兄弟

王様の限りのない欲望がおそろしくも人間味たっぷりで、それがまたおそろしい。小人よりもよほど酷い人物だったのに報いを受けることがない結末が不満だった。 粉屋の娘は人生の選択肢が限定されつづけていて、とても可哀想だ。いちおう玉の輿にはなっている…

軍用鮫 海野十三

軍用鼠を作中作にして――そもそも軍用鼠自身も作中作であったのだが――生み出された軍用鮫の顛末。爆弾犬の結果を思い出した。せめて敵味方の船、すべてを沈めるべきではないか。単純に艦隊を全滅させたわけではなく、それが最後の艦隊ではリカバリーは不可能…

軍用鼠 海野十三

冴えない探偵小説家、海野十伍(何故、素数にしなかった?)が締め切り前に悪戦苦闘する姿をえがく謎の作品。徹夜状態の海野十五は次々と作品に手を付けていくが、どうにも優れたものは出来上がらない。それでも最後にタイトルの軍用鼠に挑戦してページを埋…

巨石をくり抜いた飲食店

山の上にあった施設から山を下りて逃げていた。途中で麓の少年に遭遇して、案内されてたどり着いたのは岸壁の側面に穿たれた飲食店。上から玄関前の踊り場(高さ20メートルくらい)に飛び降りて入店した。ちゃんと下から入れる階段もあるらしい。 店内の調…