杜松の樹 グリム兄弟

 キーウィットキーウィットが耳につく。繰り返しの力を思い知らされる作品。同じ表現を重ねることを執拗に避けるだけが技術ではなくて、効果的に繰り返す選択肢もあるのだ。まぁ、比較的に子供向けなのは確かだろうけど。
 異母妹のマリちゃんが母親の死を悲しんでいないことが恐ろしい。どんだけ人望のない継母なんだか。殺人の罪をマリちゃんに着せようとしたくらいだから、えこひいきされていても慕う気持ちにはなれなかったのだろうな。
 所詮、自己愛の延長でしか我が子のマリちゃんも可愛がっていなかった印象がある。


青空文庫
グリム 中島孤島訳 杜松の樹
よみがなが激しすぎる。