六羽の白鳥 グリム兄弟

 黙々と仕事をしつづける女の子をさらってきて、お嫁さんにしてしまう王様に闇を感じる。価値観が変化しすぎだな。強制結婚させられた側が王女様だから、玉の輿感もない。
 白鳥にされた6人の兄を助けるため王女が冒険に出るところには、とてもワクワクした。あのままもっと大冒険をしてほしかったが、それ。オズの魔法使いなどは、そういう欲求を満足させてくれる作品だ。
 この作品は冒険よりも、信じてやりぬくことの大切さを教えている。今にも処刑されそうなところで助かる展開が劇的ですばらしい。そのままの勢いで姑を焼いちゃうところは流石グリム童話である。


青空文庫
グリム兄弟 Bruder Grimm 楠山正雄訳 六羽の白鳥