2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

寝過ごす夢

今日は二度寝した。1時間ほどで起きるつもりが起きてみると3時間ほど経っており、血の気が引く。もう体調悪いから休むことにしちゃおうかと悶々としていると、なぜか他部署の部長と遭遇していた。 それらは夢で目覚まし時計のアラームでちゃんと起きること…

湯布院行 中谷宇吉郎

冬に雪が降る由布院で、雪の研究家である中谷宇吉郎氏の伯父が、ロハスな生活を送っていた。雪歌ユフの聖地にせざるをえない! 交通の便は恐ろしく悪いのに、悠々自適で素敵な生活に見えてしまう。著者の従兄弟もこの地の環境に見事に適応している。いつから…

城を守れ

強敵の侵攻から城を守るために、以前の強力な支配者に協力を求めて、防御にテコ入れをしてもらおうとしていた。最初の条件では折り合いがつかず、次善の条件に切り替えて話をすすめる。が、残念ながら詳しい内容は不明。 以前の支配者は上杉謙信みたいなイメ…

立春の卵 中谷宇吉郎

疑似科学との戦い方。立春に卵が立つという報道が出回ったことに対して、著者が冷静に、しかし手間をかけて対応した話。自分で試さずに適当なことを言ってしまう科学者も疑似科学を支援しているようなものだな。 卵が立つことが知られていなかったのは、ある…

食通と川岸たたき

食通になってお蕎麦屋さんをめぐる(テレビ連れ?)のと、伸縮棒で川岸を叩いて歩くのの謎の同時進行二本立て。後者はコンクリートを破壊して歩いていたかもしれない。公共物の破壊? 前者はマニアにコバンザメされて苦労していた。相席を求められたら断れな…

雪を消す話 中谷宇吉郎

戦争直後で食料自給率の低さが深刻な農業のために雪を消す方法が研究されているとの話。雪を人工的に消して早めに作付けを行えば収穫を劇的に増やせるらしい。 雪に畝を作って土を撒く方法が効果的だが、最後に理論的には日射の角度の問題ではなかったと追記…

アラスカ通信 中谷宇吉郎

アメリカ本土に行く際、飛行機がアラスカに寄ったので、盛大な寄り道をしたお話。ずいぶんと融通が効くみたいで、現代のシャーペン一つを買うためにも領収書がいる研究者には読ませられない……。著者が訪れた当時はフェアバンクスがアラスカの州都で、アンカ…

一人の無名作家 中谷宇吉郎

芥川龍之介が全集の八巻で取り上げていた無名作家とは、著者の弟のことだった。驚くような偶然から、弟の思い出が語られる。中学生にして芥川龍之介に褒められる文章を書いていたとは大したもので、それで終わらず長じては良い論文もたくさん書いたみたい(…

「霜柱の研究」について 中谷宇吉郎

「霜柱の研究」について 中谷宇吉郎 女学生たちのアマチュア的な研究が、プロの研究者を感心させた話。快刀乱麻の言葉がふさわしいほどサクサク研究が進展していった様子は間接的に読んでも快感である。だが、零下10℃の高原で1時間毎に記録などの苦労も予想…

野球をやっていたはずが鬼当て

外野手の一人が三人を指揮する特殊なシフトとかで野球をやっていて、二塁ランナーをタッチアウトにするために密かに後ろから近づくもキャッチャーが暴投。ボールを追いかけているうちに何故か鬼当てになっていた。 しかも街の中で戦っていて、ワンバウンドで…

島津斉彬公 中谷宇吉郎

著者の知り合いである牧野伯が東條首相に読ませようとしていた島津斉彬公の本を読んだ感想。タイトルを「島津斉彬公を読んで」にしてほしかったところだ。今更すぎるが。 東條首相に読ませて技術の大切さを学ばせようとしても、当時は逆方向から首相への影響…

実験室の記憶 中谷宇吉郎

著者にとっての実験室の思い出を語る文章を想像していたら、実験室に宿る記憶というオカルティックな話題になってビックリした。蟻の集団がひとつの意思をもって動くかのように、実験室がひとつの目的に向かって最適化されると解釈すればオカルトではないの…

粉雪 中谷宇吉郎

雪の降らない国の住民には馴染みのない牡丹雪と粉雪の話。もっとも、この文章が書かれた当時には土佐でも10cmになる牡丹雪が降ることがあったというから、驚きである。牡丹雪は気温の高いときに、粉雪は低いときに降ると覚えておけば、ひとつの知識にな…

原子爆弾雑話 中谷宇吉郎

終戦直後に科学者だった著者が原子爆弾に関する日本と米英の動向を回想した文章。慧眼だった海軍のある将官の名前が知りたかった。著者の言うとおり間に合わなかったことは分かるけれど、こういう動きがあったことはちゃんと評価されるべき。それでこそ未来…

科学と文化 中谷宇吉郎

世に氾濫する科学的な意見について、寺田寅彦にうるさい著者が一席ぶっている。とりあえず難しい言葉を使っておけばいいみたいな意見は論外として、寺田寅彦力の低い科学者はどうすればいいのか、著者が考えた結果は事実の紹介に徹することである。無知の地…

雪を作る話 中谷宇吉郎

実験室で雪を作るための試行錯誤が紹介されている。自然とは水蒸気の発生源を上下を逆にした逆転の発想でブレイクスルーしつつ、最終的にはできるだけ自然を再現する方法に戻ってくるところが実に実験科学らしい。 雪の結晶を成長させるベースにウサギの毛が…

天災は忘れた頃来る 中谷宇吉郎

転載は忘れた頃にやってしまう。おぼろげな記憶でやるので、確かな出典があると思い込んでいるが、寺田寅彦氏は明確にエッセイで同じ言葉を使ったことはないとの指摘がされている。「天災と国防」には類似の表現があるらしい(自分も読み覚えがある)し、同…

雪の化石2 中谷宇吉郎

化石というよりも立体魚拓の作り方が近いかもしれない。本物の化石についても言及はされている。すぐに溶けてしまい研究の難しいものを安定させて研究するための試行錯誤が見えてくる。便利であると同時に、実物そのものを見たい欲求も強まるんじゃないかな…