階段 海野十三

 ミチ子じゃなくてムチ子だった。サスペンス仕立てだが、ミステリーではないような?著者の子供向けの作品ばかり読んでいたので、女性の足に関する官能的な表現が意外だった。
 螺旋階段のある図書室という舞台装置も印象的で良い。螺旋階段の例えにジャックと豆の木を出しているところなんかも面白かった。
 オチには一見、飛躍があるように感じるが、死を目撃したことによって「彼奴」が完全覚醒してしまったのだろうな……


青空文庫
海野十三 階段