2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

これこそが最大の危機であった。牧羊犬は次々と傷つき倒れ、羊の群は狼の群へとさしだされている。狼たちは喉の奥から血も凍るような唸りを発していた。 そしてかれらの牙はすぐに剥きだされる。――RSBC死戦の太平洋2巻108−9P 実にイメージしやすい…

「どうされますか」矢沢は言った。 「是非もなし」真田はこたえ、これからおこることに備えてだろう、第三種軍装のネクタイをゆるめ、シャツの袖をまくりあげた。かれなりに、“戦争危険”に対する保険をかけたというわけだった。――RSBC死戦の太平洋2巻1…

優れた釣り師に気の長い者はいない。おおらかに見えるかれだが、こんな時だけは着発信管なみの性格になる――RSBC死戦の太平洋2巻91P 実際のところどうなのだろう。常に成果を求めて発火寸前の精神で入るほうが多くの釣果を得られそうではある。たくさ…

けして英雄的な情景ではなかった。乗員たちも同様であった。本人たちもそのつもりだった。 しかしこの日、かれらは英雄となる定めを与えられていた。――RSBC死戦の太平洋2巻82P 気負いのないところに真の英雄は生まれる。それでも本人たちは英雄とな…

「諧謔を楽しむには理性に裏付けられた知性が必要になる。しかし、楽屋落ちで笑うのに知性はいらない。むろん理性も。幼児的な感性さえあれば良い」――RSBC死戦の太平洋2巻67P なんというか、週刊少年サンデーのギャグ漫画担当編集に聞いていただきた…

“いいかい君、戦地での死に方は八百万通りある。ドイツ兵に殺されるのもその一つだ。しかし残りのすべては君自身の不注意が原因なのだ。覚えておきたまえ”――RSBC死戦の太平洋2巻63P 某藤堂氏のアドバイス。どこまでが注意のおよぶ範囲で本人の能力で…

ギャンブル漫画の夢を見た。勝負内容はなくて全体の流れだけがあった。 前半のボスにあたる人物が主人公側について趨勢が決まったらしい。このふたりの対決がシーンが名勝負だったとナレーションが入るくせに種目もわからないまま目が覚めた。ムキーッ!

正直なところ、そちらの“撃墜数”もたいしたものになっていた。そのためか、現在のかれは、現状に満足して良いものかどうか判断のつかない、中途半端な日々を送っている。人はパンのみに生きるわけではないが、パンが無ければ死んでしまう、そんなところだろ…

<第一誠丸>船長はただひとこと「もう、あかん」と故郷言葉でつぶやいたのだった。人間の限界を示すこの言葉に対し、菅沼はまともな対応ができなかった。なぜ自分がこのような言葉を耳にせねばならぬのかと思った。あまりにも残酷だ。あまりにも。――RSB…

自立した個人とは、自分がこうありたいと望む姿を他者の前で演じとおせる者のことを言う。この瞬間の菅沼はまさにそうした人間であったかもしれない。すくなくとも当人はそう信じようと努力している。――RSBC死戦の太平洋1巻104P 人間には演技力が必…

人並みにひねているつもりではいたが、とても、エヴェレット・ヒースとはくらべられない、そう思った。むろんかれは、自分の本当の人生がようやく開幕したばかりであることに気づいていなかった。――RSBC死戦の太平洋1巻80P 人生経験はただ人を歪めて…

バカバカしい

「「ひぐらしのなく頃に」に関連?オノで父親殺害」事件です‐事件ニュース:イザ! 仮にひぐらしが関係していたとしても、それは「殺害方法」であって、「殺害理由」ではない。そこを混同して論理展開してもこの事件の問題は解決できないんじゃないか? 理解…

ボツネタ

女の子が大喜びするのは、一緒に紅白を見終わった後で彼女を九十九里浜に誘うことだ、などというのは、お話にならない古めかしさだ。 今日では、彼女をドライブに連れて行くにも執事引き三百万円の屋形車が必要である。 その上、一番使用料の高い首都高速に…

「人間は必要とあらば北極圏の荒海でも赤道直下の密林でも戦場にする。ソコトラ程度で疑問を抱くのはまさに想像力の欠如だ。度し難いほどの」――RSBC死戦の太平洋1巻61P 谷甲州氏の作品を読んでいると更に実感できること。ほとんど宇宙空間に近い高山…

なぜか絶対可憐チルドレンがSFCのカートリッジになっていた。どうもRPGっぽいが2Pも可能で手分けして村の中を歩いていた。3人がどうわけられていたのかは忘れたが。 あとラベルに「2時間でクリア可能!」と銘打たれていた。忙しい大きなお友達向け…

「ナチスの豚野郎」少年は言った。 「なんだって?」パウルはたずねた。 「ナチスの豚野郎」少年は繰り返した。 「なんだって?」パウルも同じ質問を再び発した。同じ言葉をくりかえす彼等の問答は続いたが、少年の声は徐々に小さくなった。やがてかれは泣き…

昨日の007に微妙に影響されてか、高いところに幽閉されるヒロインがいた。 そこへ持っていくお菓子の製法がみっつの飴を束ねてその周辺を覆った上で捻るとか言うダマスクス鋼みたいな作りかただった。その連想からか武器のいろいろがでてきたような…

中途半端にスレイヤーズ的ファンタジーな世界。南洋のカリュー島とかいう島に流れ着く。母一人子一人しか現地人がでてこないほとんど無人島の島である。後から魔法使いは「炉」を背負っていないと魔法が使えない、という謎の設定がでてくる。なんかバックパ…

俺のほうが昔から取り上げてるのに一人者ヅラしやがって――と私が思っているようなことを私も思われているんだろうなぁ。まともにやるには有る程度「わかっている」ように書かざるをえんのよ。

ある時、欧州で多国間戦争が勃発した。 イタリアは戦時であるのをいいことに火事場泥棒的に領土を拡張しようとした。 しかし、対象国はイタリア軍が弱兵なのを見越して要求を突っぱねた。 イタリアは再度脅しをかけた。 「もしも、我が国の要求を呑まないな…

だれもが、はじまりが終わったことを知った。地獄の釜は煮え立っている。その薄汚れた蓋には何本もの血塗られた手がのばされていた。戦争の夏がはじまった。――RSBC7巻219P 文庫版の終了時の結び。ビジュアル的に思い描ける像が強烈で、手の汚れや釜…

なんともすばらしい人生設計だった。加藤はその場に座り込んだ。妙に楽しい気分になってきた。このままおかしくなってしまえればずいぶん幸せだろうなとおもった。――RSBC7巻214P 壊れかけた人間の前向きな単語の使い方は酷いものである。しかし、そ…

やがて、かれの視線は、自分がこれまで指揮していた一式改中戦車に釘付けとなった。砲塔が半壊し、車体前部が敵戦車の転輪と側面へ食い込んだその姿は、凶暴な小動物の死体のようだった。みずからに数倍する敵の喉笛に噛みついたまま絶命した哺乳類の祖先。―…

全てが規格外

おかしいなぁ…どうしちゃったのかな 卒業できないのわかるけど、阿鼻谷ゼミは人権侵害じゃないんだよ 練習のときだけ言うこと聞いてるふりで、本番で無茶しないなら 阿鼻谷ゼミの意味、ないじゃない。ちゃんと、「指導」の通りやろうよ ねぇ、私の言ってるこ…

加藤は砲尾に砲手の首、その一部が引っかかっているのを見つけた。だめじゃないか、加藤はぼんやりと思った。こんなところに首をおいてちゃいけない。――RSBC7巻142P 首を置くっていい方がまるで亡霊デュラハンみたいだ……前後の繋がりから、あまりに…

好きなキャラクターにまったく出番がなくなるよりよほど慨嘆すべき状況がある。すなわち好きなキャラが決定的に違う何かに変わってしまうこと。その存在にたとえどれだけ出番があっても、だからこそ失ったものは永久に取り戻せないのだと突き付けられる。 な…

無貌のセイグラムって言葉で聞いただけじゃ無謀に聞こえて、仮面のヒントに気付かないんじゃ……イントネーションで理解したなら凄いぞ、リナ=インバース。 ディアナさんの正体がアレだとすると、ロレンスの最後の質問には凄く複雑な記憶を呼び覚まされたんだ…

頭にスズメバチが止まって恐ろしく神経をすり減らす時間を過ごす夢をみた。というか実体験の再生か…。夢らしいのは頭の後ろにとまったスズメバチも動きが「見える」ことで、まったく嬉しくないエスパー体験をしてしまった…。

今週のTo LOVEるのおっぱいサンドイッチに見覚えがあると思ったら、昔別冊ボンボンに載っていた銭湯のやつか。松の湯なんちゃらってタイトルだったと思うが、非常にエロかった記憶がある。私があれに感じたものを少年読者は感じているわけか。 そう考えると…

感情ではなく、あくまでも戦術論からみずからの行動を決定するところがまことにこの男らしかった。絶望という感情は、アルベルト・クリスティアン・フォン・ベルンハルトが持つ意識の地平、その外に存在していた。――RSBC7巻138P 全てを機械的に判断で…