冴えない探偵小説家、海野十伍(何故、素数にしなかった?)が締め切り前に悪戦苦闘する姿をえがく謎の作品。徹夜状態の海野十五は次々と作品に手を付けていくが、どうにも優れたものは出来上がらない。それでも最後にタイトルの軍用鼠に挑戦してページを埋めることに成功するのであった。
密輸商人レッド老人と税関のワイトマン氏のやりとりは、ちょっとしたドタバタコメディ。小説よりも漫画にしたほうが受けそうだ。
探偵小説を発表すると、何度も批評家に殺されるという作中作者の認識は、ちょっと興味深かった。トリックという明確な基準があるために前よりも優れたものを求めるプレッシャーが明確なところがあったようだ。