ナチスの豚野郎」少年は言った。
「なんだって?」パウルはたずねた。
ナチスの豚野郎」少年は繰り返した。
「なんだって?」パウルも同じ質問を再び発した。同じ言葉をくりかえす彼等の問答は続いたが、少年の声は徐々に小さくなった。やがてかれは泣きだした。一五才ではなく、一二才ではないかとパウルは思った。――RSBC死戦の太平洋1巻51−2P

 悲惨極まる状況なのにどうしてどうしてコミカルに感じられてしまい微笑みがおさまらないシーン。これでパウルがSSだったりしたら顔面蒼白な状況が現出したに違いないのだが…少年ってやつは自分の幸運に無自覚的なものだ。