<第一誠丸>船長はただひとこと「もう、あかん」と故郷言葉でつぶやいたのだった。人間の限界を示すこの言葉に対し、菅沼はまともな対応ができなかった。なぜ自分がこのような言葉を耳にせねばならぬのかと思った。あまりにも残酷だ。あまりにも。――RSBC死戦の太平洋2巻20−1P

 故郷の読みは「おくに」。
 国家によって自分の能力ではどうにもならないことに送り込まれる人々。その限界と絶望は深くあまりにも人間には耐えがたいものがある。だから英雄が求められるのだろう。