感情ではなく、あくまでも戦術論からみずからの行動を決定するところがまことにこの男らしかった。絶望という感情は、アルベルト・クリスティアン・フォン・ベルンハルトが持つ意識の地平、その外に存在していた。――RSBC7巻138P

 全てを機械的に判断できる男。だからこそ絶望というものに直面することがない。もちろん可能であって感情がないわけじゃないのだが、まったく立派なものである。意識の地平の外という表現が秀逸だ。