天災は忘れた頃来る 中谷宇吉郎

 転載は忘れた頃にやってしまう。おぼろげな記憶でやるので、確かな出典があると思い込んでいるが、寺田寅彦氏は明確にエッセイで同じ言葉を使ったことはないとの指摘がされている。「天災と国防」には類似の表現があるらしい(自分も読み覚えがある)し、同様のことを話していたのも事実なので、虚偽というほどではないとのこと。
 伝説は変なふうに作られがちなので、こうやって注意の文章を残しておくことは大事である。
 それにしても、「朝日新聞が、戦争中に、一日一訓というようなものを編集した時、九月一日の分に、この言葉が採用されることになった。
 正月元旦の「日本国は神国なり」から始まって、三百六十五日分、毎日その日に何かいわれのある言葉を、集めたものである。」の正月の言葉が強烈だ。朝日新聞ェ・・・・・・過去からは逃げられないな。向き合って戦うしか無い。


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中谷宇吉郎 天災は忘れた頃来る