雪を消す話 中谷宇吉郎

 戦争直後で食料自給率の低さが深刻な農業のために雪を消す方法が研究されているとの話。雪を人工的に消して早めに作付けを行えば収穫を劇的に増やせるらしい。
 雪に畝を作って土を撒く方法が効果的だが、最後に理論的には日射の角度の問題ではなかったと追記されていて、もやもやする。そのあたりを説明したとされる文章の名前があがっていても青空文庫にないせいだ。
 考えてみれば畝を作って光を当てても、当たらない側は影になってしまうわけで、無理もない。
 畝を作りつつ自動で土を撒く馬に引かせる装置を作ることは、明治時代の篤農家なら難しくなさそうだと思った。けっきょく現代の現実では除雪車で力 押ししちゃえるのかな?


青空文庫
中谷宇吉郎 雪を消す話