科学と文化 中谷宇吉郎

 世に氾濫する科学的な意見について、寺田寅彦にうるさい著者が一席ぶっている。とりあえず難しい言葉を使っておけばいいみたいな意見は論外として、寺田寅彦力の低い科学者はどうすればいいのか、著者が考えた結果は事実の紹介に徹することである。無知の地平を切り開いていくことはそれだけで読者に感動を与えうる。
 それは現在の岩波科学ライブラリーのありかたに近い感じがする。著者の思想が影響を与えていたりするのかなぁ。


青空文庫
中谷宇吉郎 科学と文化