湯布院行 中谷宇吉郎

 冬に雪が降る由布院で、雪の研究家である中谷宇吉郎氏の伯父が、ロハスな生活を送っていた。雪歌ユフの聖地にせざるをえない!
 交通の便は恐ろしく悪いのに、悠々自適で素敵な生活に見えてしまう。著者の従兄弟もこの地の環境に見事に適応している。いつから「こんな田舎に住んでいられるか!」な子供が増えたのだろうな――テレビ普及の影響もありそうだ。
 著者と伯父の仲の良さが伝わってくるところにも、ほっこりした。第二の心の故郷みたいな場所が持てると幸せだなぁ。


青空文庫
中谷宇吉郎 由布院行