雪を作る話 中谷宇吉郎

 実験室で雪を作るための試行錯誤が紹介されている。自然とは水蒸気の発生源を上下を逆にした逆転の発想でブレイクスルーしつつ、最終的にはできるだけ自然を再現する方法に戻ってくるところが実に実験科学らしい。
 雪の結晶を成長させるベースにウサギの毛が使われているところも興味深かった。
 夏でも(夏だからこそ温度差が激しくて)低温の実験室における活動が体力的に厳しいのは、当時の読者には想像しにくかったかもしれない。


青空文庫
中谷宇吉郎 雪を作る話