「霜柱の研究」について 中谷宇吉郎

「霜柱の研究」について 中谷宇吉郎
 女学生たちのアマチュア的な研究が、プロの研究者を感心させた話。快刀乱麻の言葉がふさわしいほどサクサク研究が進展していった様子は間接的に読んでも快感である。だが、零下10℃の高原で1時間毎に記録などの苦労も予想される研究でもあったらしい。苦労を感じさせない明るい文体によるところも大きいのかもしれない。
 紹介されている研究の内容も興味深い。霜柱が発生する原理について、仮説を検証しながら突き止めて言っている。ベルリンから実験用の土を取り寄せたところは「ハイカラ」と言うべきか。1940年より前だからシベリア鉄道経由かなぁ。


青空文庫
中谷宇吉郎 「霜柱の研究」について