冬ごもり 中谷宇吉郎

 研究者によるギネス的な冬ごもりの話。半分以上、冒険家になってしまっている感じの研究者だが……アメリカの人は軍人でもあった。昭和12年のソ連の実験がアメリカの実験よりも詳細を公表している点が興味深い。公表して障りのない科学的なデータに関しては結構オープンだったんだよなぁ。著者が取り上げている例については、むしろ国威発揚のために宣伝していた雰囲気もあるが。
 ニセコでの越冬研究は本当に死者が出なかったことが不思議だ……八甲田山のことが何度も話題になっていただろうと想像する。


青空文庫
中谷宇吉郎 冬ごもり