自然界の縞模様 寺田寅彦

 自然界にみられる縞模様は科学的に興味深い研究対象であると、つらつら書かれている。関連する研究をしているいろいろな研究者の名前が挙げられていて、過去の名前も知らなかった人々と少しだけ接点をもてた気持ちになった。
 鍾乳石の襞については、鉱物の骸晶と同じく材料の濃度分布と析出のしやすさで考えればいいんじゃないかなぁ。後半で著者もちょっと触れていたが、渦がどうとかの仮説は釈然としなかった。自分にはわかりにくい書き方で濃度のことを言っているのかもしれないが。
 現在はどの程度、寺田寅彦氏の疑問が解決されたか調べてみるのも一興であろう。コンピューターシミュレーションのおかげで相当わかっているはず。
 一方で、土星の輪にあるスポーク模様など新しい不思議な縞模様も発見されている。


青空文庫
寺田寅彦 自然界の縞模様