神話と地球物理学 寺田寅彦

 日本の神話中には地球物理学的に同定できそうな現象がいろいろ出てくるとの指摘。天照大神の岩戸隠れは、火山噴火によって日が遮られた状態を思わせると指摘している。
 近畿地方にはあまり火山がなかったはずで、こういう部分から神話が創られた地域を推測していくのも面白そうだ。話者が移動してきて表現に使う可能性もあるが。
 出雲の国造り神話に関連してウェーゲナーの大陸移動説に言及されていた。日本ではプレートテクトニクスを考えられていなかった時代かと思いきや、ありえることだと意識していた慧眼の人もいるのだなぁ。


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寺田寅彦 神話と地球物理学