地震雑感 寺田寅彦

 関東大震災に際して書かれたらしき当時の地震研究の概要がわかる文章。前半は研究が進展して知見が増してきたことを、後半の予知に関することは当時からあまり変わっていないことを、確認することができた。
 いや、ある範囲に何千年に何度の地震が起きるかという予報はできそうだというのは実現しているわけだが。
 どちらも寺田寅彦氏の予想を大きく上回ることは起きていない感じかな。震源について当時のマスコミ(新聞)がこぞって場所の特定を争っていたらしいことが興味深かった。寺田寅彦氏はそれはできない(空間的な広がりを持つ)としているが、現代の観測機器は割れ始めの場所を点としてだい たい特定できるようになっている(振動の発生源としては面になっているのも確か)。ここは予想を上回ったか。


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寺田寅彦 地震雑感