化け物の進化 寺田寅彦

 生物?に起こる変化を「進化」と書いてしまっている点で、ポケモンの先駆けかもしれない。科学にとって好ましい自然との触れ合い方は、とっても難しいという話。
 物語る才能が近所の子供や学友相手に、無邪気に発揮されていた時代がまぶしく感じられる。
 現代においても、アノニマスダイヤリーあたりなら無害に似たようなことができるかもしれないが、下手なSNSだと悪影響のある「釣り」になってしまう。
 教科書がはっきり断定しすぎるために、事象の神秘性が失われてしまう問題は現代に至るも解決されていない。そして、深く知ると「嘘だったのか」と科学への不信感すら持つ人が出てしまう。


青空文庫
寺田寅彦 化け物の進化