私のふるさと 中谷宇吉郎

 片山津について、中谷宇吉郎先生のおかげで詳しくなっていく。正しいかはともかく著者が描写する片山津の情景が脳裏に焼き付いてきた。祖母のおとぎ話にふるさとが生きているのと同じように、著者のエッセイに自分の中の片山津が生きている心地がして面白い。
 湖「柴山潟」はいまでもあるのかな。埋め立てられてしまっていないだろうかと心配して検索してみたら健在であった。
 嵐の夜は兄弟そろって祖母に抱きついて眠って、妖怪のおとぎ話を聞いていた様子に、江戸時代の息吹を感じた。


青空文庫
中谷宇吉郎 私のふるさと