マリアナ沖海戦
 お互いに半壊したアメリカ太平洋艦隊と日本海軍機動部隊だが、回復はアメリカの方が格段に早く、ありったけの空母と新型戦艦を含む大艦隊をしたててマリアナ諸島に来寇してくる。対する日本海軍も教科書的艦隊決戦を挑むべくマリアナ沖に進む。
 こうして生起した一大艦隊決戦は空母戦では数的劣勢を技量と基地航空隊で補った日本海軍がやや優勢で戦いを進めたが戦艦を攻撃する余裕はなく、日没後も前進を続けた両海軍の戦艦隊によって水上砲戦が行われる。
 まずは水雷戦隊による夜襲だったが、日本海軍の魚雷は信管が過敏すぎて誤爆してしまいほとんど戦果をあげられなかった。そればかりか防御に徹したアメリカ海軍の戦艦以下によって苛烈な反撃を受けてしまい後退する。
 未明からの航空戦は互いに戦力不足で意味がなく、勝敗は戦艦にゆだねられた。日本海軍の大和を先頭とする主力兵器たちは遠距離から射撃を開始したが実弾訓練不足がたたってまったく弾道が安定せず、いたずらに弾薬を浪費した。果敢に接近してくる敵との距離を保とうと針路変更を繰り返したことが、さらに戦況を悪化させた。
 満を持して砲撃を開始したアメリカ戦艦は砲員の疲労も少なく、先に命中弾をだしたのだ。大和はもちまえの防御力で耐えたが二番艦以降はそうもいかず、戦いが進展するごとに日本海軍は不利になっていった。そして退却を開始した戦艦隊の針路に夜襲で消耗していた日本海水雷戦隊を撃破したアメリカの駆逐艦たちが魚雷を放り込んだ。
 日本海軍は壊滅的といっていい打撃を受け、空母よりも戦艦の修理を優先した。迎撃準備の整わないマリアナは攻防の末、陥落した。