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・フィリピン攻防戦
　マリアナ沖会戦に勝利し、確固たる地歩を築いた米軍は地上戦の続くフィリピンへの介入を開始。周辺海域での激烈な水上戦が繰り広げられるが、全体的な勝利を得るのは旧式戦艦を惜しげもなく投入してくる米海軍で、マリアナ沖を生き残った金剛級戦艦も高速性を活かせずにむざむざと沈められていった。米艦隊は陸上からの無線連絡をうけて偵察を有利に進めたという。
　何より致命的だったのは日本が南方に展開した兵力との連絡を空母を中心とする艦隊に断たれてしまったこと。南方の将兵達はむざむざと遊兵化させられてしまっただけではなく、日本は新しい資源を手に入れることもできず、真珠湾とマリアナで大量に失った燃料のことが重くのしかかるばかりだった。基地航空隊の激しい攻撃は米空母を何度も傷つけたが、彼らは粘り強かった。
　こうして日本の脇腹はがら空きになってしまい、満州からの輸送船すらアメリカ潜水艦の脅威にさらされるほどだった。