童話における物語性の喪失 新美南吉

 新美南吉氏による作品論。いろいろな制限を受けることで作品がダメになってしまう現状を憂いている。
 枚数を増やす例えはしても、枚数を減らす例えはしないところが興味深い。論文発表でも長くするのは簡単でも短くすることは不可能に近いと教授たちが言っていたのを思い出した。
 著者の危機意識に対しては「そこで制限のないWev小説ですよ」と言ってみたくなった。あれはあれで多くの人に読まれようとすれば見えない制限が積み重なっていうのだけど。
 作品を音読されるものと意識して書くことの勧めも一つの考えとして良さそうだった。


青空文庫
新美南吉 童話における物語性の喪失