ユネスコと科学 仁科芳雄

 戦争直後の「平和国家」への希望が感じられる文章だった。70年も経つと執着と冷笑ばかりが残っている気がしてしまって辛い。この頃の明るさを取り戻す方法はないものか。明るさの理由の一つは「無知」だろうから、難しいよなぁ。まぁ、著者は仕事柄核兵器に対する強い危惧は持っていたことが他のエッセイからも分かるのだが。
 仁科芳雄氏がユネスコへ抱いていた科学を平和に利用することへの夢も、現在はどこまで残っていることか……月日の経過は残酷だ。


青空文庫
仁科芳雄 ユネスコと科學