[青空文庫感想]原子力の管理 仁科芳雄
 1946年、長崎・広島の衝撃覚めやらぬ時代に書かれた核兵器の今後を考えた文章。核攻撃を受けた広島・長崎を実際にみた物理学者による言葉なので重みがある。5〜10年は核兵器アメリカの独占になるので、その間の時間が非常に重要だとの言葉を今振り返るのも興味深い。時期的に朝鮮戦争の与えた影響はかなり大きかったかもしれない。
 まぁ、アメリカを過大評価しすぎな面もあって、現実はご覧のとおりだ。著者の全ての科学者に戦争協力をやめさせる理念も、国外ではほとんど上手く行っていないだろう。日本国内でちょっとは踏ん張っているのは仁科芳雄氏の思想があったおかげかもしれないと思えた。


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仁科芳雄 原子力の管理