航空支援のない戦艦が沖縄に届くのは不可能である。しかし士が主君に対し出来ぬと申し出ることもまた不可能。
戦艦大和の副・主砲弾はその日も同時に爆発した。爆圧を受けた大和の船体にはいくつもの破孔が開き、折れた主砲もある。
誰がそれをとがめられるだろう。この設計こそ軽巡を駆逐艦並みにするほどの業前を持つ、日本最高の頭脳によるものなのだ。
無用だ。往復分の燃料。特攻には無用だ!
この戦争で使われた核は二発、いや三…
昭和二十年八月十五日
この日玉声に耳を傾ける国民たちの胸中は一様に沈痛であった。