「ギャ!グッワ!待ってくれ!待ってくれ!」
ガンビアベイは、叫んだ。
「許してくれよ!正規空母じゃないんだから」
「バキッ!ボコッ!」
大和はかまわず殴り続ける。
「ヒッー!助けてー!助けてー!」
ガンビアベイが悲鳴に近い叫び声をあげた。
「お前みたいな奴がいるから大艦巨砲主義でいけないんだ!」
大和が叫びながら殴り続ける。
「ギャー」
ガンビアベイの破片があたりに飛び散った。大和の砲身も砲煙で染まっている。
「世の中!狂ってんだよ!狂ってんだよ!」
大和の砲火力は、もうフツウではなかった。その様子を見ていた、栗田提督もインディアンの駆逐艦長も言葉を失ってしまっていた。
思わず栗田提督が言った。
「大和!それ以上やったら沈んじゃう!」
「ガッシ!ボカ!」
とうぜん大和は、まったく聞く耳もたない。ガンビアベイも機関停止したのか動かなくなった。
「キャー、やめて!」
栗田が叫んだ。
「あっ……はい」
艦隊が後ろに反転した。