シグルイ改変ネタ、WWⅡ初期編

「山下将軍のイエスかノーか…」「あれは辛い」「参ったとしか言わせてくれぬ…」
 要は紙一枚。恐怖によっても要塞は陥ちるのだ。


 ああ、あれこそは米海軍必中の射法。アンヴィルアタックのお姿…


 これは尋常の砲弾ではない。読めぬ…水中弾道が全く………


 酸素管理ノウハウと太い発射管がなければ運用することさえ難しいその魚雷は、全長九メートルに達し、長射程にちなんで"ロングランス"と仇名されている。


 このとき99式艦爆が見せた命中率は訓練によって到達しうる領域を明らかに凌ぐものであった。
「高橋、もう少しこう、何というか手心というか…」「陸用爆弾なれば…いと多く当てなければ沈みませぬ」


 見張り員の瞳孔が猫科動物の如く拡大した。


 日本海軍に「捻り込み」と呼ばれる特殊な"機動"がある!
 失速寸前の最中、零戦の機体は極小の半径で旋回していたのである。機首は予想通りにグラマンの背後をついていた。精妙なる操縦桿とラダーペダルの調節が出来なければ、機体はあらぬ方向へ錐揉みしていったろう。
 「捻り込み」はベテラン搭乗員以上の秘伝であり、模擬空戦で使用することは禁じられている。