ブームを仕掛けることは悪なのか?

 そもそもそこから疑問に思う。
 作為的なブームを悪いことのように感じる裏には「本当に良いものがあるはず」で「良いものは売れるはず」なのに「作為的なブームが覆いかぶさっているせいで日の目を見ない」という意識がありそうだ――実際そういうことも、ままあるだろう。
 「良い日本製品は売れるはず」信仰が、現実には「ガラパゴス」って言われることの怨念が根っこでは絡んでいるのかも……けっきょく楽しみ方までパッケージされないと、残念なことになかなか売れないのだが、そこまでやるとブームを仕掛けるのと境界が曖昧になってくる。
 真実に目ざとい時代は、仕掛け人の立場も大変だ。