引用でもしてみる

「貨物に搭載された小型電算機は、うんがんばるよとこたえ、沖縄宇宙港に挨拶し、どうしたらいいのとたずねた。
 あらあらご挨拶ができていい子ねと宇宙港の中枢電算機はこたえ、はいはい、じゃあばんざいしなさいとつたえた。ばんざいするのと貨物はたずねた。うんそうよ、おもいきりばんざいしなさいと宇宙港のはやさしくつたえた。はぁーい、と貨物のはこたえた。ばんざーい。
 貨物からの返答は、素人にはその意味すらわからぬデータのかたちで、沖縄宇宙港無人宇宙機管制部中央管制室の巨大なディスプレイ・パネル、その右隅に表示された。」

遥かなる星3巻 P14より


 機械同士のやりとりをひどく牧歌的に表現したこのシーンがとても気に入っている。母親とやりとりする子供のような舌足らずさがツボだ。まぁ、機械の自律能力など子供のようなもので、その程度でもかなり凄いことなのだ。人間が宇宙に行くにしくはない。